MY STORY

STUDENT

在学生

長いようで短い大学の4年間。
春から新しい一歩をふみだす4回生が
京都大学で過ごした時間をふり返りました。

杉山桜子 法学部 4回生

若園倖子 農学部 4回生

INTERVIEW
杉山桜子
法学部 4回生
宮城県仙台二華高等学校 出身

興味と好奇心に素直に!
大学入学はチャンス!

小学校の隣が裁判所で、授業で裁判を傍聴する機会もあって法律が身近でした。法学部への進学は早くから決めていましたが、東日本出身だからこそ、「西日本の文化を知りたい!」と、知人の少ない京都に飛び込みました。日本史が好きだったことも、「京都で暮らしたい!」という思いを後押ししました。

コロナ禍の反動で挑戦したポップアップ・ショップ

1回生はコロナ禍の真っ只中で、思い描いていたような活動ができませんでした。そのぶん、2回生からは積極的に人とつながりたくて、学生団体を発足して、学生の防災意識を高める活動を始めました。力を注いだのは、阪神梅田本店で開催した「大切な人に想いをおくるPOPUP SHOP」。「自分のため」の防災グッズは後回しにしがちでも、「大切な人へのプレゼント」としてなら手に取ってもらえるのではないか。それが防災を意識するきっかけになってほしい。そんな思いで、百貨店や企業とやりとりを重ねて実現にこぎつけました。

 

「絶対にこの業界」はなかった。
だからこそ幅広くていねいに

春から行政を対象にしたシンクタンクで働きます。シンクタンクは政府などを相手に、政策課題を調査したり、分析して提言する研究機関。ビジネスとして利益を追い求めながらも、公益に関わる仕事内容に惹かれました。でも、就職活動をはじめたときは志望業界を絞らずに挑みました。多様な業界・企業と出会い考えをアップデート。時間をかけて吟味する過程で、法律や社会の善、福祉への興味を再確認したんです。

阪神梅田本店で開催したポップアップストアの前日準備にて、メンバーとの集合写真
学生団体のメンバーで会議中

COLUMN

法学部の授業、ここがおもしろい!

印象的だったのは「刑法」の授業。大学に入るまで、殺人罪で懲役○年といったニュースを見るたびに、「一人の命を奪ったのになんでそんなに軽い刑なんだろう?」と思っていました。しかし授業をとおして、私の考えていた刑罰の目的が罪に対する報復であること(応報刑)、そして刑法はそれに留まらず、ふたたび罪を犯すことのないよう教育する(教育刑)といったさまざまな目的があることを学びました。この授業での学びが、私たちが暮らす日常を深く理解するための大きな一助になっていると感じています。

法学部生の必需品『六法』。
ノートはノートパソコンでとることも
INTERVIEW
若園倖子
農学部 4回生
兵庫県立加古川東高等学校(理数科) 出身

そのときいちばんの興味を、
心惹かれる大学で学びたい

高校では「生物」を選択したので、進学先として選べる学部はおのずと工学部ではなく理学部か農学部に。環境問題には関心があったのですが、「森林科学科」という学科名を聞いて、当時、世界各地で頻発していた森林火災のことが頭に浮かんだんです。想いがぐっと強まり、農学部に照準を定めました。京大が高校生に向けて開く科学講座「ELCAS」に参加して、京大と京都の街の雰囲気に惹かれたのも、大きな理由です。

サークルに卒論、
思うぞんぶん熱中し、充実した4年間

小4ではじめたドラムをつづけたくて、軽音サークルに入部。コロナ禍の影響で思うように活動ができず、もどかしい思いをしました。11月祭での演奏が目標でしたが、1~3回生ではそれが叶わず。さまざまな制限が解除となった4回生でようやく、大好きなメンバーと夢の舞台に立つことが叶いました。サークル活動をやりきったいま、集中するのは卒論。研究テーマはフジバカマです。研究を深めるには多分野の知恵が必要。他分野の教員や他学部の図書館を訪ねては情報に出会う日々。4年めにして、京大が蓄積「絶対にこの業界」はなかった。してきた学術情報の膨大さを実感しています(笑)。

 

農学部は大学院に進む人がほとんどだけど……

自分の思いに向きあって、私の歩む道は研究ではなさそうだと思いました。4年間で気がついたのが、環境問題の解決には「ひとりの力では立ち向かえない」という現実。法律や政策など、社会を巻き込むことの重要性を学び、就職を決めました。就職先は、環境問題とも関連するエネルギー業界です。配属が決まるまで、ドキドキの毎日です(笑)。

2023年の11月祭で、大好きなチャットモンチーの楽曲を演奏
祇園白川で着物を着て花見

COLUMN

農学部の授業、ここがおもしろい!

森林科学科は屋外での実習や調査が多く、週に1~2回、実習がありました。「緑地計画論」の授業では、下鴨神社や京都御苑などを訪ねました。京都の地の利をいかした京都ならではの授業。
学術的な視点から語られる庭園や鎮守の森の説明はとても新鮮なものでした。

左/授業で訪ねた京都大学芦生研究林
右/山歩き用の衣服はフィールド系実習の必需品

Message高校生へのメッセージ

卒業後の将来を考えることも大切だけど、まずは「いま」の興味に正直になってみて。自分自身と向きあって、自分で選択するという経験こそ重要です。あとから興味や関心が変わってもいいんです。京大への思いがあるなら挑戦してほしい。
受験勉強の過程で経験する、自分の限界を更新する感覚は人生の糧になるはずです。

高3の冬の模試まで、京大の合格可能性はE判定でした。ですから、受験は最後までわからない。あきらめず、思いきって挑戦してほしい。進路選びには、「いま」なにに興味があるのか、それは4年間飽きずにできそうか、楽しそうかの視点がだいじです。
私が卒論で感じたように、京大の学問領域は幅広い。入学後は意外と、決めた分野以外のことも学べるんです。