MY STORYNo,19
GRADUATE
卒業生
Otaki
Mayu
小瀧真由
日本新薬株式会社
薬学部 卒業、薬学研究科修士課程 修了
広島県 ノートルダム清心高等学校 出身
京都のまちで育んだ、
コミュニケーションの
イロハが
新薬のポテンシャルを
引き出す鍵に
高校時代に夢見た進路は、化粧品の研究開発。いろいろな大学・学部の卒業生の進路を見比べていると、京都大学薬学部のページに化粧品会社の名前がありました。「ここなら夢に近づけそうだ」と、志望校を京都大学に絞って、勉強に励みました。
入学して驚いたのは、京大生の経験値の高さ。私は高校まで勉強しかしてこなかったのに、スポーツや趣味など、勉強以外の得意分野をもつ人がたくさんいたのです。劣等感を覚えたりもしましたが、だからこそ大学では後悔のないように挑戦しようと決めました。
アルバイトをとおして出会った新しい価値観
長期休暇のたびに海外旅行をしたり、ダンスサークルに力を注いだり、もちろん勉強も全力で取り組みましたが、いちばん糧になったのは先斗町の飲食店でのアルバイトでした。高校や大学で出会う人たちは、自分と同じような環境で育ち、同じような世界を見てきた人たちが多かった。でも、飲食店には料理人をめざして専門学校で修行を積むアルバイト仲間がいたり、海外からのお客さんもたくさん迎えました。これまで知らなかった価値観にたくさんふれて、世界が大きく広がったのです。
こうした経験で気がついたのは、私はコミュニケーションをとることが好きなんだということ。薬学部で学んだ知識をいかしつつ、周りの人たちとコミュニケーションしながら仕事ができる職種を探して、臨床開発職に辿り着きました。
新しい薬を安心・安全に患者さんに届けるためのレールづくり
博士課程の修了後はアカデミア以外の世界をのぞいてみようと臨床開発は、開発した薬の有効性と安全性を検証し、薬を製造販売承認まで導く仕事です。私の担当は、実際に患者さんに投与して薬効を検証する、治験のデザイン。研究部から「薬のタネ」を受け取って、データや分析結果をもとに、薬を1日に何回、どれくらいの期間投与するのが効果的かなどを考えます。薬のポテンシャルを発揮できるかどうかを左右する、重要な役割です。
この仕事には、治験に協力いただく病院の先生がたの協力が不可欠。どう伝えれば先生がたに動いていただけるのか、患者さんに安心いただけるのか、相手の立場に立って頭を悩ませます。医療現場と、利益を追求する企業とでは考え方が違う部分も多く、すり合わせに四苦八苦もしますが、そのぶん達成感は大きいです。
他部署とのやりとりも頻繁な職種なので、就職活動で重視したのは会社の雰囲気。日本新薬の面接は、肩肘を張らずに話ができる雰囲気をつくってくださり、入社して働く想像がいっきに膨らみました。海外の部署やパートナー企業とのコミュニケーションも積極的に行えることを知り、国際的な視点をもつことができることも決め手でした。これからも社内外の人たちとコミュニケーションを重ねて、京都から世界に薬を届けることができるよう、力をつけたいです。
大学時代から心がけているのは、最終的なゴールの前に、小さなゴールを設定すること。「薬のタネ」の発見から製品の上市までに10年はかかります。目標を見失わないように、「いつまでにこの業務を完了させる」、「この進め方について他部署や先生方からの合意を得る」など、細かな目標を設定するんです。受験勉強でも、「合格」までに小さなゴールを設定すると、モチベーションが維持できるはずです。とはいえ、合格もまた、人生という長い道のりの途中。勉強した先になにがあるのかを考えながら、いつか大きな実を実らせてください。
COLUMN
休日のすごし方
旅行はいまも変わらず好きです。
この写真は、会社の同期と入社後に初めて行った韓国への海外旅行です。
最近は、バスケ観戦にもハマっています!
Recommend高校生のみなさんに手に取ってほしい作品
『グレイテスト・ショーマン』 マイケル・グレイシー 監督
19世紀に実在したショーマン、P・T・バーナムの成功を描いた映画作品です。
歌・ダンスのパフォーマンスに魅力があるのはもちろんのこと、バーナムの発想力と行動力にとても感銘を受けました。過酷な環境もポジティブに捉え、思いついたアイデアを主体的に進める姿勢、他人を巻き込み動かすカリスマ性……。なにかを成し遂げるためには自分の考えに自信をもつこと・自分を信じることがいちばん大切だと感じさせられます。自分の挑戦に悩んだときや思いとどまったときにモチベーションを高めるのにおすすめの作品です。