1.教員数の経年変化と女性比率
(分析データ:京都大学概要2021)
2004年までは、保田その氏の作成データ(京都大学女性教員懇話会2005年度ニュースレターNo.2)による
2021年5月1日現在の京都大学の教員数(助手2 名を含む)は、全体で2,712名である。そのうち女性教員は全体の11.4%、数にしてわずか308名である。2006年は7.3%だったので、この15年間で4.1%増加している。女性教員数が目立って増加の傾向を見せてきたのは、2000年頃からである。図1に1952年以来の女性教員の推移を示す。
図1:1952年以来の女性教員の推移
職階別に男女比を見ると、女性は総数が少ないのでどのポストでもわずかだが、その中でも、教授ポストの女性比率が特に少なく、8.1%しかない。准教授ポストでは11.6%、講師では13.0%、助教・助手では14.7%が女性である(図2)。
図2 教員の職階毎の男女比(2021年5月1日現在)
図3の職階分布からわかるように、男性では教授(37.5%)が最も多く、女性では助教・助手(37.3%)が最も多い。
図3:男女別教員の職階分布
2.女性研究者の雇用形態
(分析データ :総務部資料 2021年5月1日)
表2に示すように、本学には女性研究者が約944人いる。プロジェクトなどの雇用でない、いわゆる“定員”の教員は307人、残り637人が種々のプロジェクトなどで雇用されている任期つきの研究者である。表2にその職種、職階分布を示した。表2で常勤というのは、勤務形態は定員と同じだが雇用形態が例えば、准教授(産官学連携)というように職名に財源の由来が付いている任期付きのポストを示している。非常勤というのは、勤務形態が非常勤で雇用の財源はいろいろである。例えば「最先端研究」などである。
3. 女性教員の部局別・職階別分布
表3に全部局の職階別女性教員数(2021年5月1日現在)を示す。
(分析データ:総務部資料2021年5月1日)
4.女子学生の状況
(分析データ:総務部資料2021年5月1日)
2021年5月1日現在の京都大学の学部生数、大学院生数、女性比率を表4と表5に示す。1946年からの女子学生数とその比率は図5にある。
学部学生の女性比率は全体で22.1%と、教員と比較するとかなり高い。医学部(4年制)では、66.2%、薬学部(6年制)では55.4%、文学部、教育学部は、約45%が女子学生である。工学部は教員と同じく低く、女性比率9.9%である。大学院では、修士課程から博士課程に進むに従って、女性比率が、26.3%から31.1%へと高くなる。しかし、図6に示したように教員への道は細いパイプになっている。
図5:1946年からの女子学生数とその比率
※2.「女性研究者の雇用形態」(表2、図4)、3.「女性教員の部局別・職階別分布」(表3)は、総務部(2021年5月1日現在)より作成。その他は、京都大学概要2021(2021年5月1日現在)より作成。 総務部データと京都大学概要では、集計上の事情によって女性研究者総数で数名の違いがある。また、作図にあたり四捨五入している。