みんなどうしてる?
育児、介護をしながらの、日々の研究活動のシーンでは、いろいろなお悩みが生じると思われます。
ここでは、男女共同参画推進センターが提供する情報、部局によるサポートなど、京都大学における現状と事例を共有します。
みんなの対応事例集
ニュースレター第90号掲載(2020年5月15日)
待機乳児保育室を使ってみた
それは医学部キャンパス北西角にある男女共同参画推進センター内にあり、外観上保育園らしさはほぼ無いが、掴 まり立ちした乳児が窓際に顔を寄せているのが門外から垣間見えることがある。
案内サイト(脚注1 )を見ると、受入対象となるのは「自治体に保育園入園申請をおこなったが、入園待ちを余 儀なくされている研究者等」という赤文字がまず目に入る。産休明けに職場復帰したい多くの人はこの条件に該当す るだろう。京都市の認可保育園の途中入所枠はほぼ「空きなし」状態なので、4 月一斉入所を狙うしかない。一斉入 所の申込に間に合うのは2 月3 日までに出生した子とされており、2 月4 日以降3 月末までに生まれた子は翌年の1 歳児枠に応募することになる(平成31 年度の場合)。つまりスケジュールだけで見ても、産休明け(生後9 週目) に即入園できる例はかなり限られる。待機乳児保育室は、出産を経てなお第一線で働きたい研究者には無くてはなら ないサービスである。
利用申請には事前登録が必要なのだが、事前登録のタイミングはいつがいいだろうか。安定期に入ってからの方が いいのか、保育園をある程度調べてからの方がいいのか…と悩み出すとあっという間に時間が経ってしまう。事前登 録日で優先順位が決まるので、正解は「妊娠がわかったらできるだけ早く」。まずはセンターにコンタクトを取るこ とをお奨めする。出産後改めて利用のための手続きや、実際に子を連れての面談があり、用意すべきものなどのリス トをもらうことになる。但し、奇跡的に途中入所できた場合など、必要が無くなり次第、早急にキャンセルしよう。 そうしないと他の人が断られてしまう。
実際に預けてみると、送迎時間の目処が立てやすいことや、別室で随時授乳もできるなど、学内ならではのメリッ トがある。それ以上にありがたかったのは、やはり他の同年代の子と見比べながら、プロの保育士に毎日のように相 談できることだった。筆者の場合、早産でNICU 育ちの虚弱児だったこと、母子水入らずの期間が短かったこともあ り、預けることに最初は負い目もあった。それでなくても3 歳児神話のプレッシャーも感じた。しかし預けられた 当人はと言うと、初日ですら母親を恋しがる様子が全くなく、保育士に抱かれ手を振らされるだけのあっさりしたお 別れだった。すぐに、自分より少し大きい乳児の行動を目で追いかけ、真似するのに必死な毎日に変わった。生まれ てから最初の15 ヶ月は発達の月齢差が大きく、仰向け寝たきりから、室内のトンネルで遊ぶ乳児まで様々である (脚注2 )。決して広くないスペースながら、月齢に配慮した工夫がなされ、保育士のみならずセンターの職員が通 りすがりに目を配ってくれている。毎日提出するノートには、健康面だけでなく、その時々の成長の様子が細かく書 かれていて、あっという間に忘れてしまう乳児期の貴重な記録になった。
(脚注1 )待機乳児保育室案内サイト http://www.cwr.kyoto-u.ac.jp/care/nursery/
(脚注2 )保育室の対象乳児には生後15 ヶ月未満の月齢制限がある(平成31 年度の場合)
(文責 育児・介護支援事業WG 専用アドレス:ikwg@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp)