みんなどうしてる?
育児、介護をしながらの、日々の研究活動のシーンでは、いろいろなお悩みが生じると思われます。
ここでは、男女共同参画推進センターが提供する情報、部局によるサポートなど、京都大学における現状と事例を共有します。
みんなの対応事例集
ニュースレター第84号掲載(2019年5月15日)
研究集会の託児所開設 その③
様々なとりくみとまとめ
前回ご紹介したASAFAS での支援体制は大変進んでいますが、託児室利用を目的とした部屋を持っていない部局が大多数でしょう。その場合、研究集会の託児室を開設するにはどうしたらいいでしょうか。乳幼児が室内でくつろいで一定の時間過ごせるためには、畳敷きの部屋など靴を脱いで動き回れるスペースが要りますよね。宿泊施設を備えた会場で開催される場合、託児室に適した部屋を借りられる場合もありますが、学内の一般の建物で行う場合は、適した部屋がないと思うかも知れません。
しかし実績のある託児業者によると、通常のセミナー室や会議室のような設備の整っていない部屋でも、机を移動して床マットやホットカーペット等を持ち込むことにより託児室として利用した経験がたくさんあるそうです。本学でも、学内の宿泊施設を持つ会場、セミナー室や女性休養室などを利用して託児室を設置した実績があるようです。何かあったときに、保護者がすぐに駆けつけられる範囲に託児室があるのが望ましいですから、研究集会の会場と同じかほど近い建物の中に託児室を設置できるよう、是非とも部局にご協力いただきたいところです。
また、セミナー室や会議室を託児室として利用できるかどうかは契約に当たって託児業者が個別に判断することになりますし、また必要な物品のレンタルは予算に関わりますので、託児業者と十分に打ち合わせておきましょう。なお、こうした事例が増えてくれば、部局の備品として床マット等を用意しておくなど、部局としての取り組みを充実させる方向性が見えてくるのではないでしょうか。
託児室の設置に際して、事故に備えた保険が必要ですが、主催者や利用者ではなく託児業者が加入していることが一般的です。託児業者の選定に際しては保険についてよく確認しておきましょう。他に気を付けることとして、会議・イベント時の託児室開設についてノウハウをまとめた東京大学のウェブサイトもあります(脚注1 )。
奈良女子大学(脚注2 )では、保育士資格を持たないボランティアや学生が様々な講義を受講し面談を受けてサポーターとして登録されています。シッター料金がかなり抑えられており、直前でもキャンセル料不要など融通が効くきめ細かなサービスを大学が提供しています。託児業者を利用するのは安心である反面、費用が嵩張るため、ある程度の予算規模がないと対応できない問題があります。託児室を利用するのが1 名程度の場合は、利用者側がそれでよいと納得すれば、プロではなく主催者側の人員を割いて対応しているケースも多々あると思います(この場合は、託児室の安全確保について主催者側が十分な知識を持っておく必要があります)。
本WG でも、学内での託児室設置の実績や障壁について情報を集めています。設置を検討したけれども断念したご経験などの情報も是非お寄せください。
託児室併設はこれからますます増えていくでしょう。今よりもっと「当たり前」で「簡単」になっていくことを期待しています。
脚注1 )https://www.u-tokyo.ac.jp/kyodo-sankaku/ja/activities/qa1.html(東京大学)
脚注2 )http://gepo.nara-wu.ac.jp/childcare-support/event-childcare-system/(奈良女子大学)
(文責 育児・介護支援事業WG 専用アドレス:ikwg@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp)