サポートを受けたい研究支援・実験補助者雇用制度

アンケート報告

対象者:令和5年度第2期 研究支援・実験補助者雇用制度利用者26名
形 式:実績報告と同時にメールにて依頼。
回答率: 97%(25名)

1.「研究支援・実験補助者雇用制度」を利用することで、どのようなことが可能になったか

  • 日常的に行わないといけない業務が減るので、実験の解析や学会への応募、科研費の応募が可能になった。
  • 補助者を雇用できたことで、調査の準備やデータのまとめ、整理に本来なら必要な時間を、他の仕事(論文執筆、学生指導、授業準備等)に振り替えることができ、生産性があがったと感じます。今回補助者として雇用した大学院生にとっても大きな学びの経験となり、共同研究として今回の成果をまとめ、2024年度中に国際学会での報告と、査読論文の投稿を行う予定です。
  • Thanks to the Financial Support Program, I have been able to host one research symposium (and one workshop and to achieve editing two collective volumes. I have also found time to focus on writing my monograph.
  • 年度末に向け、学会や卒業論文・修士論文作成のために実験やその他業務が重なり、多くの時間を要していたが、実験補助者のおかげで計画的に業務を分担することができ、概ね計画通りに研究を推進することができた。
  • 複数の研究プロジェクトを同時に進めることができるようになった。また、残業が減り、定時で家に帰り、家に帰った後育児に専念できるようになった。金銭的な援助を得たため、さらにもう一人の補助者を雇うことが可能になった。
  • 子供の急な病気で欠勤・早退する時に私の代わりに細胞実験をお願いすることができました。おかげさまで、途切れなく研究を進めることができました。そして、実験に関するルーチンワーク(細胞培養、試料準備など)をお願いし、出勤している時間を充実に使うことができました。
  • 子供の体調不良や海外出張で研究室を空ける機会がありましたが、実験補助員に仕事を進めてもらうことで、不在時でも滞ることなく研究計画を進められました。
  • 研究に充てる時間を捻出することが可能になり,データ解析,論文投稿がスムースに進み,研究推進につながった。2024年度は論文発表が複数できると見込んでいる。
  • 本制度利用前においては、育児との両立 (保育園送迎・園帰宅後の世話)のため実施が困難であった長時間の生化学実験の遂行が可能となり、研究を大きく進展させることができました。細胞培養・実験動物飼育など、日々実施する必要がある実験に関しても、自身の負担が大きく減り、論文作成や研究立案、申請書作成等にさける時間も増えました。
  • 普段の業務の中では中々時間確保が難しい文献収集を補助してくれることで、研究が確実に進みました。本来であればあきらめていた論文化への意欲も、この補助のお陰で意欲を維持できたと考えます。育児をしながらの研究は、時間が限られているため、本制度は大変有効であり、くじけそうになる心を救われました
  • 育児や介護を行うため通常よりも早い時間に一旦帰宅しても、これまでほぼと同じペースで研究を推進することが出来た。そのため、研究者としてのキャリア維持に繋がった。また今回の補助者は、これまで雇用したことがある方と同じ方に来ていただいたが、補助者自身のスキルアップにもつながり、今後のキャリアパスの一助になった。
  • 培養実験は、生きた細胞を扱うため、定期的な培地交換などの世話が必要です。研究者が時間的に常時これを行うことが困難である場合に、実験補助者に担当いただくことで継続的な実験が可能になりました。また、オリジナルの培養デバイスを作成いただくほか、PCRや染色など補助いただいています。
    臨床データ整理は、研究の準備段階の裏方作業として大変重要です。しかし、成果が見える仕事ではないので、研究者本人が時間をかけて行うことは難しく、補助者が担当いただくことでスムーズに研究を開始することができます。また、補助者がいるお蔭で、新しい取り組みを、躊躇せずに開始できました。
  • 現在、5歳と2歳の息子がおり、アデノ、コロナ、インフルエンザに漏れなく罹患し、長期看病による休暇を余儀なくされたが、補助者のおかけで実験動物の命を無駄にすることなく、研究を中断せずに済んだ。また、院生指導の為の時間も確保でき、院生と一緒に新しい研究の着手や長期細胞培養等の研究を始める事が可能となった。
  • 「研究支援・実験補助者雇用制度」で雇用したOAの大学院生に関節リウマチコホートデータベースの管理およびデータの抽出を頼むことができた。このため講座での自分の業務量を減らすことが出来、自分の研究を推進することができた。子供の急な体調不良に伴い、講座の他の研究者へのデータ提供に遅延をおこさずにすんだ。精神的にも非常に助かりました。
  • 診療や学生指導等の業務の合間を縫ってまとまった実験時間の確保が難しい中、実験補助者のサポートにより滞りなく実験を継続することができた。また、実験補助により得られた時間をデータ解析、論文執筆、研究を行うための情報収集、後進の指導などに充てることができた。
  • 指導大学院生が当方と同じように乳児を育てる一児の母であり、実験を行うに際しても当方と同じように制約があるため、マウスケージ交換やジェノタイピングなどといった必要な過程をサポートしていただくことで、限られた時間の中で実験を進めることが可能になった。また、データベースの整理作業も進められるようになり、臨床研究も進めることができた。
  • この制度を利用することで、検体処理、遺伝子検査のルーチンワークなどを実験補助者に担当してもらうことができ、申請者は研究計画やデータの検討のみならず、学会発表などの学術的な作業に時間をあてることが可能となりました。また、空いた時間を家事や育児に割くことができました。
  • ゲノム解析は膨大なデータを扱うため、解析にも専用の作業環境を用いたコーディングを要するなど、手間と時間がかかる。加えて、ゲノム情報抽出のための検体処理も決して簡単な作業ではない上、個人的にも不得意な部類の作業である。本制度で後者の作業を担っていただいたことで、貴重なデータの解析に時間を割けた。
  • 研究支援・実験補助者雇用制度を利用して、多施設共同研究の遺伝子解析における資料整理、事務連絡などの負担が軽減され、研究成果発表や研究費申請に集中することができました。
  • 育児中は、学校行事などで日中の研究を一時中断する必要があるなど、時間の使い方に工夫を要することも多い。そのような状態で新たに考案していたアイデアの実行に踏み込めずにいたところ、この支援のもとで着手することが可能となり、今後の展開への大きな道筋を得ることができた。
  • With this program, I was able to accomplish important work while cooperating and delegating part of my daily tasks to the research assistant. While continuing to perform experiments, I could write and publish papers, and I am now preparing the next ones. I could also apply for grants and contributed to society and academy by helping to organize a conference and being a journal editor.
    Having the research assistant was also a great relief when I had to bring my son to the hospital or when his kindergarten was temporarily closed on several occasions, due to positive cases of Influenza, Covid-19 etcpp. The research assistant continued the work on my behalf, and we were able to obtain meaningful results.
    In short, thanks to this program, I could achieve a better work-life balance.
  • 本制度のおかげで、実験補助者に試薬や線虫株を準備しておいてもらった上で、効率よく自分が実験のメインの部分を遂行をできるようになり、短時間でも集中して完遂できた実験が多くありました。
  • 研究実施にあたり長時間にわたり装置を操作し続けなければならない実験・解析業務について、本制度による補助者を活用することによって、多くの解析を系統的に効率よく実施することができた。その結果、解析の効率が飛躍的に向上し、研究を一段と推し進めることができた。また、研究遂行のための時間拘束からかなり解放されたことから、ケアが必要な子の就学支援・療育に対応できた。
  • 後期は担当授業が週8コマと多く、各種学位論文の指導も重なるため、自身の研究時間を確保する物理的・心理的余裕を持つことが難しい状況にある。その中で、初期分析等の単純作業を補助者に委託することで、心理的余裕が生まれ、細切れながらにも研究に関して集中して考える時間を確保することができた。
  • 今年は特に,国内外のサンプルが多量に手元に集まる年となり,標本の管理に苦労した。標本の作成に始まり,エタノールの交換や,ラベルの作成,エクセルシートを用いた標本の登録と,適切な場所への収納は,私一人では到底終えることのできない膨大な仕事である。私が付き添って行う必要があるものの,実験補助者の手を借りて行うことができたことはたいへんな幸運であった。今年集めた標本は膨大に過ぎ,今もまだ大量の未整理のサンプルが実験室に山積しているが,年度末までに終えられることを期待している(2024年2月2日現在)。

2.「研究支援・実験補助者雇用制度」を利用した感想

  • 支援制度を使うことで、早めに帰ったり、遅く来ることによって生じる業務の皺寄せが少しでも減った気がした。
  • 育児中は絶対的に足りない研究時間を確保することにつながる、ありがたい制度でした。補助者として雇用される学生にとっても、研究に参画する機会となるため、子育て支援の制度として研究補助者を雇用するという設計は、すぐれたものだと思いました。
  • As my research belongs to the literary studies academic field, I was not used to work with a research assistant. I learned how to delegate and to be more aware of the requested time and skills for each tasks I used to handle myself. It gave me confidence in my research and my professional skills. Thanks to this program, I have been able to pursue more ambitious research projects.
  • 本制度により、精神的に余裕をもって研究や業務に向き合うことが出来ているように感じる。また、今年度から2名の学生を雇用したことにより、学生間でも分担が出来るようになり、本人も自身の研究や学業と実験補助業務を両立出来ているように感じた。
  • 子育て、介護を行っている研究者はいつも時間がなく、仕事に追われているので、研究支援者の雇用をサポートしていただける制度はとてもありがたい。
  • まだ大学院生の少ない新しい研究室のスタッフとして、「研究支援・実験補助者雇用制度」は研究を円滑に進める上で大変役に立ちました。この制度のおかげで、育児によるお休みの時にも研究と実験を続行することができました。
  • 家庭の都合で欠勤や早退を余儀なくされる状況になっても、安心して研究を進められるのでとても助かっています。今後も本制度を利用して、一日でも早く研究成果をあげられるように努めたいと思います。
  • 細々,かつ時間のかかる雑務を補助者にお願いすることができ,研究環境を整えることができました.非常にありがたく感じています。
  • 私は、子供2人の育児 (長男2才、長女0才)を行いながら、日々の研究活動を遂行しております。本制度を利用させていただくことで、研究に集中できる時間が格段に増えました。特に、育児期と自身の研究費が乏しい (自身での技術補助者の雇用が難しい)期間が重なる若手研究者には、とても助かる制度だと感じます。
  • 2回目の利用であり、育児をしながら研究を継続するために、このような支援をいただけることは本当にありがたく感謝しております。このような支援により、研究継続のモチベーションの維持にもなります。
  • 補助者を雇用したのは5期目であり、引き続き自分自身の研究のみならず、研究室全体のプロジェクト推進に非常に有益でした。特に人員不足、同じように育児・介護を行うスタッフが多い研究室にとってはありがたい制度でした。
  • 支援制度により大変助かっています。複数の医学生を雇用し、彼らの希望に合わせて仕事を割り振りました。それぞれにも試験勉強や部活動、アルバイトなどの活動があり、都合を相談しながら勤務いただきました。自分自身の研究活動に助かることはもちろんですが、学生が支援した研究テーマについて、より深く学ぼうとする姿勢が見える場合もあり、学生の経験にもなっているように思います。
  • 熟練した補助者を継続して雇用することができている為、安心して研究補助を任せることができ、非常に助かっている。
  • 子育てに追われつつ、仕事も数人分行わなくてはならない中で、研究支援者の雇用をサポートしていただける制度はとてもありがたい。また、被雇用者もデータベース管理やデータ抽出、研究の初歩など学び、当講座の研究領域に興味をもってもらえるということで非常にすばらしい。
  • 現時点では、上記のような事情があり、研究を進めるには必要不可欠になっている。非常に有用な制度であり、今後も可能であれば利用させていただきたいと考えている。
  • 出産・育児等の大きなライフイベントの中でしたが、研究を中断することなく進めることができ感謝しています。申請方法も煩雑でなく、今後もぜひ継続して利用したい制度と考えています。
  • 研究には時間も労力もかかる。また、1つの研究のために必要な作業も多岐に渡り、得手不得手もある。本制度は研究者の時間・労力・能力を有効に活用するための大変良い制度であると思う。
  • 小児科は専門グループ毎に業務や研究内容が大きく異なり、各グループあたりの人数は極めて少ないため、こういった支援制度があると大変助かります。
  • 育児と研究の両立に試行錯誤するなかで、こうした補助を受けられることをありがたく思う。実験補助者にとっても、講義や自分の実験等をこなしながら、時間の使い方を工夫することなど学ぶ点が多かったように思える。
  • I think that this program is efficient at supporting the researchers who have heavy family duties. Before the program, when I had to take days off to take my son to the hospital, I felt very nervous and guilty for not being at work. With the program, I feel less stressed and can rely on the research assistant to continue the work while I am away. The program has surely improved the balance between my professional and personal life and increased my motivation and productivity at Kyoto University.
  • 年度前半に引き続き小学校における感染症流行は激しく、子供の病気や夫の看護などで勤務時間が非常に限定される中、自分の実験を補助してくれる人がいたのは、とても助かりました。これからもこの制度をぜひ継続してほしいです。
  • 安心して実験解析作業を任せられる補助者を継続して雇用することができ、効率的に研究を進めることができました。実験の主体(申請者)と雇用者(補助者)で、上手く時間や担当を配分できることから、大変助かりました。
  • 大変有り難い制度で、とにかく感謝しております。保育園の送迎時間に制約される中で、授業の準備や学事に追われながら研究の時間を確保するためには、このような制度は必須です。ただ、適任の補助者を確保することが困難であることも事実です。現実的には同じ研究室の学生を雇用することが多いと思いますが、各学生も研究時間・授業・就活など多忙ですので、被雇用希望者の人材バンクのような制度ができれば理想的です。
  • 素晴らしい制度である。複数期に渡って本制度を利用できることも,幼児期を対象とした育児が数年に渡ることを鑑みて極めて適切で,育児か研究かというような理不尽な選択を迫られることなく新生児を育てることができたと思う。

3.この制度を利用する上で、困ったこと、改善した方がよいと思うことがあるか

  • 後にも書きますが、「賞」にするのが良いと思う。支援額を増やすことは難しいだろうが、名称の変更なら現実的かと。
  • 記しましたように、全体としては大変ありがたい制度でしたが、実験や調査の補助を半年してもらっても、その半年間で、その補助分の成果が、学会報告や論文の形なることはほぼありません。このような形の成果が出るのはもう少しあとです。成果報告を求めるのであれば、現状のようにアウトプットを細かくわけて書かせる必要はなく、何が具体的にできたかや、今後のアウトプットの予定等を文章で記載させる部分を多くする方が現実的だと思います。もちろん補助期間中の半年間で出した学会報告や論文等のアウトプットは記入することができますが、それは補助以前にした研究の成果です。どちらの成果報告が求められているのか、整理された方がいいように思いました。
  • The administrative process at the beginning has been deeply struggling.
    First, I was hoping to hire my husband, because he was the most qualified person I know for the tasks as the assistant, which mainly requested excellence in French language, and which would have given him a working position, allowing him to stay in Japan for the full year. I had the agreement of the dean of the Faculty to hire him. But I received a negative answer from the Financial Support Program, with the following reason: if my husband stays in Japan, I would be in a too much comfortable position to still benefit from the financial support. It seems to me that the program did not take into consideration the situation of being a mother and a Foreigner in Japan with an intersectional approach, neither the impact of international mobilities on family lives.
    The consequence is that I was in a very unstable situation from August 2023 to November 2023, with a high stress and mental load, making family life even more difficult.
  • 予算の関係上難しいとは思いますが,通年応募可能な制度であれば,なお良いと思います
  • 特にございません。未就学児の育児期間は数年間に渡るため、できるだけ継続的なご支援 (長期的な (年単位での)本制度の利用)をいただけると、子を持つ若手研究者としては大変助かります。
  • 適任者を見つけることに毎年苦労するので、人材紹介などがあればより助かります。
  • 特になし。ただ、基本半年・時間雇用の制限があり、補助者人材の継続的な育成という点では課題が残ります。育児や介護は半年で終わるわけではなく、数年継続する場合が多いですから、継続支援制度を作り、場合によっては常勤枠として雇用できる制度が出来るとさらに良いと感じました。
  • 本業として一貫して携わっていただける方が理想的ですが、半年間の支援であり、先が不透明ですので、雇用しにくいです。既に教室で雇用している本業の方の雇用費に付け替えることは、業務内容を申請者本人の補助のみにあてにくいため通常困難です。育児や介護状況が半年で改善することはあまりありませんので、できれば2-3年間の継続的支援を行っていただけると利用しやすいです。支援いただく研究者としても、そのほうが肝が据わってよいのかなと思います。
  • 雇用費だけでなく、機器購入費も検討して頂けるとより負担の分散が出来ありがたい。
  • 全くありません。ありがとうございます。
  • 大きな問題点はないと考えます。
  • こうした制度は今後も引き続き継続していただきたく思います。
    可能であれば、対象とする子供の年齢を小学校高学年まで上げていただくことを検討してほしいです。
  • The program overall is very well thought and organized. I acknowledge the organizers for that. My difficulty would be in the duration of the program. In my humble opinion and experience, a semester is rather short. By the time the research assistant gets used to the laboratory equipments and deeply acquainted with the contents and details of the research subjects, the semester is almost over. Although it is possible to apply for the program several times, I think that it would be helpful to give the option to apply for a year or even longer.
  • 実験補助者が体調不良時に、少し実験・解析の進行が遅れてしまった。制度の趣旨からして少し難しいのかもしれませんが、補助者の一時的な変更や代替者の選定について、もう少しフレキシブルであってもよいかもしれない。
    予算を組む関係で、難しいとは思いますが、申請の始期は随時として、概ね1年程度の助成期間という枠があってもよいように感じる。
    本報告書の内容など、本事業の申請者はいろいろな事情がある中で研究を遂行しており、半年(以内)の期間での研究成果の記載などは、それなりにプレッシャーになりうる。様式ひな形内に、「ない場合は、空欄でよい。」などの記載があってもよい。
  • 大変ありがたい制度なので、ぜひこのまま継続していただきたいです。
  • 子どもが幼い間は、多少減額されたとしても継続して採択していただけるようなシステムになれば、より有り難いです。

4.この制度の募集情報の入手方法(※複数回答あり)