キャリアストーリーを知るOG社会人インタビュー
宇宙×医療。
今はまだ漠然とした夢を叶えるために。
円尾 芽衣 MARUO MEI
理学部 理学科・宇宙物理系 卒業
大学院理学研究科 修士課程 修了
兵庫県 神戸女学院高等学部 出身
エムスリー株式会社
「緩やかな専門化」アドミッションポリシーに感動
生徒会、体育祭に打ち込み、ダンスと書道に夢中だった中高生活。高校2年の夏から1年間、アメリカのウィスコンシン州に留学もしました。当時はいろんなことに興味を持っていたため、進学先を決めるのにとても苦労し、日本の大学だけでなくアメリカの大学へも目を向けていました。そんな頃、京大理学部のアドミッションポリシーを見て、「緩やかな専門化」というフレーズの入った内容に心を動かされ、高校3 年生の秋に、京大理学部を受験しようと決めました。中高の先生や親の友人が京大理学部出身だったこともあり、尊敬できる人に多く出会える期待が高まったことも決め手でした。高3の夏までアメリカにいたこともあり、秋から物理を一から学び始めましたが、とても追いつけるようなビハインドではなく、現役の時は「男前受験」で京大のみ受験、結局京大のお膝元の京都の駿台予備校に入学。浪人中には成績が伸び悩んだこともありましたが、予備校からの帰り道はリフレッシュの時間と決めていました。ゆっくり川沿いを歩いて駅まで行き、離れて暮らす親と日常の連絡を取って心を落ち着かせたり、時には夜空を星や月を見上げてみたりしたことは大きな支えとなりました。
チャンスあふれるジャングルのような環境で学ぶ
京大入学後は、思っていた以上に周りのレベルが高くて凹みましたが、代数学や植物地理学など、いろんな分野のエキスパートが同級生にいたのはとても刺激的でした。また、最初繋がりができるまでは一人ぼっちだと孤独を感じることもありましたが、そのうち、その分機会にあふれている、と捉えられるようになりました。チャンスがそこら中に転がっていて、興味をそそられることもたくさん。先輩曰く、「京大はジャングル」(ちょっと入ってみたらとてつもなく面白いものがあるけれども、前をすっと通り過ぎるだけだとカオスにしか見えない・・・)だそうです。もう一つ、それまでには感じなかった劣等感というものを大学で初めて感じました。周りがとても賢く見えて、必死に食らいついていった記憶があります。1回生の頃から参加していた「自主ゼミ」ではハイレベルでわからないことが多く、準備中に憂鬱になることも多々ありました。ところが、いつもいやだなと思いつつ参加し続けるうちに、「いやだな」がだいぶ消えて、「やればできるかもしれない」と思うことが多くなっていました。続けて取り組み、わかることが出てくれば面白くなってくるという経験でした。専攻を決めるにあたっては、理系学問全体に興味があったので、1回生では数学・物理・化学・地学・生物全て履修しました。2回生の終わりには、どの系に進むのか決めなければならず、ギリギリまで迷いましたが、やっぱり一番かっこいいと思った宇宙物理を選択。その後まだまだ学びたかったので大学院に進学し、宇宙物理学の中でも装置開発の研究室に所属しました。院生時代には、東アジア最大の望遠鏡のある岡山まで天体観測によく行きました。京大理学部には、すごくハイレベルなものが転がって存在しているだけでなく、いろんなところに驚きやワクワク感があったと思います。受け身では何も起こらないけど、自発的に動けば、がんの研究者とラボで研究させてもらったり、きのこのプロと生態調査をしたり、他大学の研究者と沖縄のサンゴ礁の生態調査をしたり、同年代と徹夜で物理実験を行ったり、海外に研究留学したりできました。本当にいろいろな機会に恵まれました。
宇宙物理学と医療をつなぐ
― 未来の可能性は無限大。
大学院卒業後は、I Tを活用して医療の世界を変革していくエムスリー株式会社というところに就職し、マーケティングとデータ分析の部署を兼務しています。現在は、コロナワクチン情報を集約するコンテンツの新設プロジェクトの旗振り役を任されています。実際、入社早々でここまでの経験ができるとは思っておらず、毎日忙しいですが、自分のスキルが増えることが実感でき、仕事が本当に楽しいです。いろんな仕事に携わる中で、どれも一から学ぶことばかりなのですが、質問すれば先輩たちが丁寧に教えてくれ、常にこちらが求める以上のフィードバックをもらえます。メンターやリーダーとの定期的なミーティングなど、サポートの手厚さもありがたいです。実は入社前の面談ではわがままを伝えていて、それが米国での勤務希望と現在の二部署で働く二刀流でした。他社でも同じことを伝えると、入社して5年経ったら米国に半年くらい勤務できる、と言われたのですが、私としてはもっと早く行きたいし長くいたい。エムスリーはそんな私の希望を真剣に受けとめ、それなら米国勤務を前提にしたキャリアパスを一緒に考えようと提案してくれました。今はニューヨークオフィスで働くための準備として、米国側に日本のコンテンツ作成手法の情報提供をする仕事も兼務しています。もともと学生時代は宇宙物理学を学んでいたので、将来、宇宙と医療とがオーバーラップするような仕事、例えば宇宙旅行が盛んになれば、そこにはヘルスケアも当然必要になってくる。そんな仕事ができたら楽しいだろうなと思っています。
上司・同僚からの一言
玉嶋 謙一さん
サイトプロモーション グループリーダー
円尾さんはグローバル人材として、新卒1年目から海外のプロジェクトにも参画するなど、将来が期待されているスタッフの1人です。現在はデータサイエンティストとしての専門スキルを生かしつつ、マーケティング部門のプロジェクトマネージャーとして活躍しています。いつも飄々としているクールビューティで、入社早々リモートワーク中心という難しい環境にも関わらず、安定感のあるコミュニケーションとアウトプットを見せてくれています。ものすごいスピードで成長してくれており、上司としてとても頼もしく感じています。
東京での過ごし方
朝は、スピーカーからテンションの上がる音楽をかけ、身を委ねています。せっかく東京に来たからには東京について詳しくなろうと思い、「散歩の達人 街がわかる東京散歩地図」を読んで散歩したり、ハイキングしたり自然ともつきあっています。
こうやって勉強してました
センター試験に向けての対策は、年が明けてから2次試験対策の傍ら、センターの過去問を解くようにし、間違えた問題とその背景知識をノートにまとめました。メンタルが結構影響してくるので、自分自身に「大丈夫や、できるで」と言い聞かせ(笑)マインドコントロールしていました。個別試験対策では、数学があまりできていなかったので、浪人中に基礎から徹底的にやり直しました。
京都大学には、門さえたたけばあらゆる扉を開いてくれる環境があります。少しでも興味があれば、諦めずにチャレンジしてみてください。浪人生のみなさんは、後がないというプレッシャーに負けないでください。勉強の不安は勉強をすることでしか解決されません。私は浪人時代の友達と、未だに仲良しです。一緒に乗り越えられるよう、刺激しあってください。応援しています。