キャリアストーリーを知るOG社会人インタビュー
京大の魅力は研究だけじゃない
学んだことの全てが私の中に生きている
平井 美帆 HIRAI Miho
薬学部薬学科 卒業
愛知県立旭丘高等学校 出身
株式会社コーセー 研究員
部活と勉強で充実した高校時代。
大学でも自由でありたい
私が通っていた高校は、東大や京大をはじめとする難関校への合格者を多数輩出する進学校です。しかし、特別に校則が厳しいというわけではなく、愛知県で唯一の私服で通える学校でした。部活動は全員参加制で、私はバスケットボール部に入部しそこでの活動が高校生活の中心となりました。朝練をはじめ昼休みはシュート練習、放課後はもちろん部活で休日は試合と、バスケットボールに明け暮れる日々を楽しんでいました。
京大を目指し始めたのは、高校2年生の頃です。志望動機は複数ありますが、校風が生徒の自由を尊重する高校だったため、大学も自主性を重んじるところに行きたいと思ったことが一番の理由です。
当時、京都に憧れを抱いていたこともあり、京大は私にぴったりだと思いました。明確な目標が決まったことで、受験勉強に力を入れようと奮起しましたが、一度始めたことは最後までやり遂げたいという思いも強く、部活動も高校3年生の春まで継続しました。両立は大変でしたが、「どっちもやりたい」と前向きに取り組んだことを今でも覚えています。
面白い人たちと出会えたことが、京大で築いた私の財産
高校生の頃に得意だった科目は数学です。白黒がはっきりしており、明確な答えが出せるところが面白いと感じていました。実は、私がそういった理系的な思考を持ち合わせていると自覚したのは幼少の時で、中学生の頃にはそれを活かせると思う研究職、中でも化粧品を開発する研究員になりたいという、漠然とした夢を抱いていました。薬学部を選んだのは、その夢を叶えたいという強い気持ちがあったからです。また、薬剤師の資格を取得しておけば、将来予期せぬことが起こったとしても心強い、という思いもありました。
そしていざ入学してみると、思い描いていたとおりの授業や自由なコミュニティ、環境がありました。京大には賢いうえにユーモアを備えている人や、一般の常識からは想像がつかないアイデアを持っている人など、今まで出会わなかったような面白い人達が多数在籍しています。私は男子ラクロス部のマネージャーとして活動していましたが、学部に加え、部活でも魅力ある方々と出会うことができたのは、大きな財産になったと感じています。
社会人の基礎も学べた研究室。いつしか憧れは目標に進化
一方、研究室では、伊藤美千穂准教授のもと、生薬・薬用植物に関する全般を対象とした「薬品資源学」を修めました。念願だった研究はとても面白く刺激的でしたが、ここで学ばせていただいたのは、単なる技術や知識だけではありません。先生からは、仕事に対する姿勢や礼儀作法を厳しく教えていただき、また、ディスカッションをする機会を多く得たことで、感情に流されない論理的思考力を身につけることができました。社会人となった今、それらがいかに大切かということを痛感しています。
私が勤めているコーセーは、就職活動を始めた大学5回生の夏にお世話になったインターンシップ先の一つでした。化粧品を開発する研究員になりたいという子どもの頃に抱いた憧れは、大学生活を送る中でいつしか現実の目標へと変わっており、就職活動は化粧品業界に絞って進めました。いろいろな企業のインターンシップに訪れ、社員の方々のお話を伺った中で、一番強く惹かれたのが今の会社でした。ここなら「仕事が楽しいと言える社会人になれる」と思ったのです。
「特別」な製品を作るため、一つずつステップアップ
コーセーは基本理念に「英知と感性を融合し、独自の美しい価値と文化を創造する」と掲げており、その高い研究開発力は業界の内外から認められるところです。インターンシップで訪れた時、先輩方が自負を持って生き生きと働いている姿がとても印象的で、私もぜひその一員になりたいと考えました。
現在、私はメイク製品を開発する部署に所属し、主に口紅の製品開発を担当しています。今後発売予定の製品を創りだす一端を担うとともに、将来、画期的な商品に繋がるような基礎的な研究も行っています。日常的に化粧をされる方なら共感していただけると思うのですが、お気に入りの化粧品にはメンタルをケアする力があると考えています。私自身、気合を入れたい時や嫌なことを払拭したい時に、必ずつける口紅があります。今手掛けている製品が、誰かの「特別」になれたらすごく幸せだと思います。まだ入社したばかりなので、覚えることがたくさんあり慌ただしい毎日ですが、夢が叶った今、とてもやりがいを感じています。まずは業務を一つずつ噛み砕いて吸収し、余裕をもって仕事に当たれるようになることが現在の目標です。
上司・同僚からの一言
メイク製品の開発や研究テーマに積極的に取り組み、毎日新し いことを吸収して丁寧に自分のものとして習得するよう努力す る姿に大きく期待しています。
愛される商品を作る
私が携わった商品はまだ世に出ていないのですが、それが発売されて、たくさんのお客様に手にとっていただく日を心待ちにしています。今は試行錯誤の段階ではありますが、開発中の口紅を使ってお客様がキレイになった姿を想像するだけで、モチベーションが上がります。世の中に化粧品は数多とありますが、私が携わった商品がどなたかのお気に入りになれば最高です。
こうやって勉強してました
高校入試の場合は、学校ごとの出題傾向にそれほど差 異はないと思いますが、大学入試の場合はそれが顕著に異なります。そのため、私はとにかく志望校の出題傾向を掴むことが大切だと考え、過去問がまとめられた問題集、いわゆる「赤本」をひたすらやり込みました。 現在はどうなっているのか分かりませんが、当時、京大は化学の問題がすごく特徴的で、穴埋め問題の最初の方が分からなければ、その後の問題が全然解けないような設問形式になっていたと記憶しています。そのため、苦手な科目というわけではありませんでしたが、化学は特にやり込んだことを覚えています。
自分の努力を信じてあげてください。私は日々、「自分は絶対に合格する」と言い聞かせながら勉強に臨んでいました。試験当日も模試の判定が良くないまま迎えたのですが、終了後、周囲には「手ごたえがあった」と伝え、自分にも精一杯やったと言い聞かせました。自分を信じないと始まりません。「必ず受かる!」と思いながら、勉強も試験も頑張ってください。