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「女子学生チャレンジプロジェクト(清水愛花さん)」密着取材第1弾
2024年7月より始動した「女子学生チャレンジプロジェクト」、採択チームの中から工学部1回生・清水 愛花さんたちのチームに密着取材!!第1弾レポートをお届けします。
(参照:https://www.cwr.kyoto-u.ac.jp/story/w-challenge/)
低気圧下でなぜ曲がったのか?プラズマ光線の形状の仕組みに迫る
清水さんたちのチームは、なんと5人全員が学部1回生です。採択された「低気圧下におけるプラズマ光線形状決定機構の特定」というテーマは、清水さんが高校時代、先進的な理数教育を実施するSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の課題で手がけた研究に由来します。
当時、1000Pa(パスカル)に減圧した真空容器内で、水平方向に設置された電極に交流電圧をかけると、発生するプラズマ光線が直線状ではなく水平面に対して垂直上向きに湾曲することを確認していました。その原因は真空容器内の温度変化にあるのではないかと考え、温度の計測を進めていましたが、確証が得られないままでした。大学入学後、婉曲する原因を解明したいと周囲に話したところ、面白そうだと興味を持ってくれたのが、工学部1人と理学部3人の現メンバーたちです。今回のプロジェクトでは、この現象を理解し、プラズマ光線の形状のモデル化をめざしています。
現在は、清水さんが中心となって、桂キャンパスにある工学研究科原子核工学専攻の実験室でプラズマ光線を生成し、ハイスピードカメラを利用して光線形状を観察・計測。条件を変化させながら、プラズマ光線の形状に影響を与える可能性がある因子を調べているところです。一方で、ほかのメンバーは原因として考えられる因子に関する文献を調べて考察し、数式を用いて第1段階のモデルを制作しています。今後は実験とシミュレーションの結果を照らし合わせながら、モデルの修正を行っていく予定です。
「自分が解明したい謎に関心を寄せてくれるチームメンバーと出会え、とても恵まれている」と喜びを語る清水さん
研究室見学の際に清水さんが相談し、メンターを務めることになった工学研究科原子核工学専攻の成田絵美講師(左)と河原全作講師(右)
真空実験器内に形成されるプラズマ光線
電極間をつなぐ角度や入力電圧などの条件を変えながら、プラズマ光線の長さや付近の温度、容器内の圧力差などを計測し、データを収集