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【開催報告】シンポジウム「難病女性患者のリプロダクティブ・ヘルスを考える」(2023年度「女子学生チャレンジプロジェクト」採択チーム)

2024年03月06日お知らせ
2023年度「女子学生チャレンジプロジェクト」に採択されたチームによる、2月23日に開催されたシンポジウムについての報告です。

2024年2月23日、京都大学にて、シンポジウム「難病女性患者のリプロダクティブ・ヘルスを考える」が開催されました。リプロダクティブ・ヘルスとは、「性や妊娠、出産など生殖に関わるすべてにおいて、単に病気がないだけではなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態(well-being)であること」を示します。本シンポジウムは、難病女性患者のリプロダクティブ・ヘルスの課題と解決方法等に関して意見交換することを目的として開催されました。難病女性患者やその家族、研究者、医療者、内容に関心のある方など、様々な立場の方にご参加いただきました。

冒頭、プロジェクトメンター 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 任和子教授からご挨拶があり、女子学生チャレンジプロジェクトと本シンポジウムの趣旨の説明や、ゲストスピーカーや来場者への謝辞が述べられました。

その後、プロジェクト代表 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻博士課程 磯部よつ葉から、リプロダクティブ・ヘルスに関する報告が実施されました。難病女性におけるリプロダクティブ・ヘルスの現状などが具体的に説明されました。

続いて、2名のゲストスピーカーによる講演が行われました。
まず、医療者の立場のゲストスピーカーとして、昭和大学医学部内科学講座リウマチ・膠原病内科部門助教 小黒奈緒氏に講演いただきました。講演では、難病のなかでも特に女性に多い膠原病が取り上げられ、妊娠前から出産、更年期以降のリプロダクティブ・ヘルスについて紹介されました。小黒氏は、「医師としては、患者さんの様々なライフイベントに伴走するような関係性が大切と普段から感じている」と述べられました。

次に、患者の立場のゲストスピーカーとして、京都大学大学院文学研究科 大木香菜江氏に講演いただきました。講演では、難病が発症してから現在の生活に至るまでの体験が共有されました。大木氏は、「自分のような難病患者にとってリプロダクティブ・ヘルスは、妊娠・出産期だけについて考えるのではなくて、日々の生活がどれだけ安心感のあるものかに由来しているのではないかと考える。」と述べられました。

グループディスカッションの時間では、参加者がグループにわかれ、講演の感想を共有し、「いつ、どこで、どうやって、誰と関わってリプロダクティブ・ヘルスを維持していくことができるか?」について考えました。ディスカッションの中では、「リプロダクティブ・ヘルスについて患者さんに考えてもらうタイミング・内容・コミュニケーション方法を改めて医療者側も考えるべき」、「患者としてはもっと気軽にリプロダクティブ・ヘルスに関して医療者に話しができるようなシステムができたらうれしい」といった、当事者とそのご家族、医療者、友人、職場などが協同する重要性に焦点を当てた意見が交わされました。

参加者からは、「立場の異なる方々が難病患者さんのリプロダクティブ・ヘルスについて意見をかわすことのできる貴重な場となりました。」「難病をかかえる女性にとって、いろいろな立場から、患者さんを支えようとする活動をする方々がいらっしゃることは、患者さんが安心して生活できる社会に向かえそうという希望が見えました。」といった声や、今後も同種企画を望む声などが多く寄せられました。

本チームでは、今回頂いたフィードバックを元に未来への新たな取り組みに繋げ、難病女性患者のリプロダクティブ・ヘルス向上に貢献していきます。

      

講演をする小黒奈緒氏                     講演をする大木香菜江氏

 

      

左から、メンター任和子教授、ゲストスピーカー(医療      グループディスカッションの様子
者の立場)小黒奈緒氏、プロジェクト代表磯部よつ葉、
ゲストスピーカー(患者の立場)大木香菜江氏、プロジェ
クトメンバー花田彩愛、プロジェクトメンバー桧山きらら

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