News Letter 2024.9.30 第116号
「女子高生・車座フォーラム2024」12月1日(日)にオンライン開催
「女子高生・車座フォーラム2024」を12月1日(日)にオンラインにて開催します。
京都大学がどんなところなのか、学部をどうして選んだのか、大学での学生生活や学びについて、などの疑問に現役京大生や研究者がお答えします。
前半は学部ごとのグループワーク、後半は複数学部合同でのグループワークをおこないます。
前半の学部ごとのグループワークでは少人数でじっくりと話すことができます。後半の合同グループワークでは、文系と理系に分かれさらに2~4学部合同となり、複数の学部それぞれの雰囲気や特色を聞くことができます。
全国の高等学校から気軽に参加いただくため、オンラインでの開催とし、遠方の女子高生も参加してもらえるようになりました。リアルな声を聞くことができる機会に奮ってご参加ください!
日 時 2024年12月1日(日) 9:30-12:30(8:50よりZoom接続開始)
会 場 オンライン(Zoomにて開催)※先着順、事前申し込みが必要です
参 加 費 無料
募集定員 女子高校生100名程度/保護者50名程度
申込期間 2024年11月10日(日)17:00まで
参加条件や申込方法についての詳細はホームページをご覧ください。
https://www.cwr.kyoto-u.ac.jp/rooting/kurumaza/
全学共通科目(後期)「ジェンダー論」10/1(火)開講
川島 隆(文学研究科 教授)による全学共通科目「ジェンダー論」が10月1日(火)より開講します。
現代社会に生きる女性や男性は、その性別(ジェンダー)ゆえに、どのような問題に直面しているのだろうか。その現実に多面的に光を当て、淵源を探ることにより、日常の中でジェンダーにまつわる問題に気づき、課題解決のための実践ができるようになるための基礎的知識を身につけることをめざした講義です。オムニバス講義のかたちをとり、学内外からゲストスピーカーを招き、さまざまな研究分野においてジェンダーが開くパースペクティブを示していただき、専門的な知識を得るのみならず、女性と男性双方にとってジェンダー問題とはどのような意味をもつのかについて新しい気づきと実感が得られる講義となっています。
2024年度全学共通科目(後期)「ジェンダー論」
■講義の時間:火曜日 3限(13時15分~14時45分)
講師とテーマ
※テーマは一部変更になる可能性があります
ピノキオコンサート 〜大人とこどものための音・学・会 at 京都大学〜
「学童保育所 京都大学キッズコミュニティKuSuKu」の開設を記念して、公益財団法人アルゲリッチ芸術振興財団および公益財団法人文字・活字文化推進機構の協力により、「ピノキオコンサート 大人とこどものための音・学・会
at 京都大学」を、2024年7月28日に開催しました。
当日は、会場の百周年時計台記念館大ホールに小学生の親子約500名が来場しました。
はじめに稲垣 恭子 理事・副学長による開会挨拶があり、続いてヴァイオリン奏者の後藤 康さんと横島 礼理さんにメンデルスゾーンやモーツァルトなどの楽曲を演奏していただきました。アナウンサーで絵本専門士の古賀 涼子さんには『弾きがえる』と『くまとやまねこ』の2冊の絵本を朗読していただきました。
カエルとヴァイオリン奏者が登場する童話『弾きがえる』では、ヴァイオリンの音色でカエルの鳴き声を表現されるなど、普通のコンサートでは体験できない演奏と朗読の特別なコラボレーションを楽しみました。
参加者からは、「舞台との距離も近く、ヴァイオリンの音色も朗読も素晴らしく、感動しました」、「間近でヴァイオリンの演奏を聴いたのは初めてで、ヴァイオリンから奏でられる様々な音色に、子供も興奮していました」などの感想が寄
せられ、盛況のうちに閉幕しました。
京都大学オープンキャンパス2024 大学全体企画
「ようこそ京大へ!女性卒業生トークセッション&座談会」
8月8日(木)に国際科学イノベーション棟シンポジウムホールにて、「ようこそ京大へ!女性卒業生トークセッション&座談会」を開催しました。これは8月8日〜9日の2日にわたって開催したオープンキャンパスのイベントのひとつで、昨年に続き、男女共同参画推進センターが同窓会組織「京都大学ここのえ会」の協力を得て女子高校生・既卒生を対象に企画しました。
第1部では、異なるフィールドで活躍中の女性卒業生(雨宮 沙耶花さん、室橋 麻里子さん、濱谷 美緒さん)が登壇し、蓮尾 昌裕 理事補の進行のもと、和やかにトークセッションが繰り広げられました。来場した42名とオンライン参加の99名に向けて、「どうして京大で学ぼうと思ったのか?」「大学時代に経験して良かったことは?」「京大での学びが卒業後のキャリアライフにどう繋がっているのか?」といった話をされ、参加者にとって、学生生活に加え、その先の進路まで具体的にイメージできる良い機会となりました。
第2部の座談会は、女子高校生、卒業生(篠木 良枝さん、尾崎 純さん、トークセッション登壇の3名)、在学生が少人数のグループに分かれて行いました。それぞれ自己紹介をしたのち、参加者から、「どのように受験勉強を進めたら良いか?」「文理ど
ちらに進むべきか決められない」「○○学部の授業内容は?」「起業についてお話を聞きたい」などさまざまな質問があり、卒業生と在学生が丁寧に答える様子が見られました。
京都の銘菓を食べながらお互いの悩みや疑問を共有した座談会は、女子高校生たちを勇気づける貴重な時間となりました。
令和6年度第2期研究支援・実験補助者雇用制度 利用者決定
令和6年度第2期研究支援・実験補助者雇用制度の採択者は、応募者37名の方に決まりました。
この制度は、育児又は介護のために十分な研究・実験時間が持てない研究者(院生は除く)に対し、研究又は実験をサポートをする補助者の雇用経費を助成する事業です。
以下センターHPに、今までの応募状況、助成を受けられた方の声などを載せています。
https://www.cwr.kyoto-u.ac.jp/support/research/assistant/
日経STEAM 2024 シンポジウム
日本経済新聞社大阪本社主催の『日経STEAM 2024 シンポジウム〜新しい価値創造への挑戦〜』が、7月30日(火)にATCホール(大阪市住之江区)にて開催されました。
シンポジウムは、学生サミット未来の地球会議、女性研究者座談会、常識を疑え!高校生ポスターセッション、デジタルアート展示&発表会、DIS STEAM ゼミ、偉人達の探求体験型講座、体験コーナー、ブース相談会の8 つの部門で構成され、会場には総勢900名、うち高校生510名が来場し活気にあふれたシンポジウムとなりました。
本学からは、福田 エレン 秀美 准教授(情報学研究科)が女性研究者座談会に登壇し、学部生2名が学生サミットへ参加する高校生チームのサポーターとして参加しました。
また、入試企画課の協力のもとブースを設置して高校生からの相談に対応しました。
理学研究科「2024 夏のイベント」
理学研究科では、2024年度夏に女子高生向けの5つのイベントが開催されました。
参加高校は、関東SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定の7つの女子高校、親和女子高等学校、四天王寺高校などで、66校から総勢293名の生徒が来学しました。
7月23日(火)から25日(木)まで行われた関東SSH7 女子高校受入では42名の女子高生が参加し、数生物科学コース、化学コース、物理学・数学コース、宇宙・地球惑星科学コースにそれぞれ分かれ実験や講義、観察などの体験をしました。最終日には女子高生が5班に分かれて輪になって着席し、理学部の学部生や院生10名が2人ひと組で班を順に周り高校生からのさまざまな質問にこたえ、時間いっぱいまで大いに盛り上がった交流会となりました。
また、8月5日(月)、6日(火)の2日間には女子高生向け理学探求推進事業である「COCOUS-R2024」の中間発表会および交流会が開催されました。全国から16校(36名)が参加し、口頭発表、ポスター発表、化学実習の後、ポスター討論会と高校生同士の交流会が行われました。
そのほか、近畿圏の2校の女子高の受入れでは光や色に関する実験などを行いました。8月25日(日)には、イベント「女子高生のために理学部案内」を実施し、65名の女子高生が参加しました。
これらの夏のイベントに参加した女子高生からは「疑問に思っていたことを解消できたし、より一層理学部に入りたい思いが強まりました」「現役の大学生の方や大学院生の方から進路の決め方や大学生活について伺うことができてとても良い機会になりました。理学部について具体的に知ることができてよかったです」「今回のイベントを通し、理学部には多くの可能性が広がっていることがわかり、より京大理学部で学びたいという気持ちが大きくなりました」などの感想が寄せられました。
連載: 研究者になる! -第97回-
農学研究科森林科学専攻 助教 時任 美乃理
大学3回生のとき、指導教員に連れられて訪ねたボルネオ島がすべてのはじまりでした。当時の私の将来の夢は、自然系雑誌の編集者。でも、熱帯の山奥での生活をはじめて体験して、ものを書くことよりもまず、文字になる前のみずみずしい情報にいちはやく触れ、経験したい!という欲張りな気持ちが芽生えたのです。
■日本語を忘れるほど、地域に溶けこんで調査した半年間
ボルネオ島でいちばん印象的だったのは、はじめて見る動植物や大自然の景色……ではなく、現地に生きる人びとの暮らしでした。人と自然が絶妙に応答しあい成立している生態系の姿を、はじめて目の当たりにしたのです。環境問題は、人を排除し自然だけを囲い込んで保護すればすむ問題ではなく、人と自然がどう関わりあっていくかを真剣に考えなければ、なにも解決しない ─ 教科書では学べないこの現実に直面し、人と自然の関わりをより学際的な視点から考えたいと、京都大学地球環境学舎に進学しました。
専門に選んだ地域計画学は、地域に暮らす人々、文化、歴史、自然など、そこにある地域資源を最大限にいかし、持続可能な地域計画を考えていく学問です。地域に適した計画を一から考えるには、まずはその地域をとことん知ることからはじまります。
GISなどを用いて量的データの分析もしますが、地域のことはその地で暮らす住民たちに聞くのがいちばん。大学院1年めには約半年間、タイ北部の少数民族の村に住み込み調査をしました。言語もわからないまま飛びこみましたが、現地のものを食べ、住民にまざって山仕事や農作業をし、地域に溶けこむことを第一に心掛けていると、帰国するころには日本語が思いだせなくなるほど(笑)。でも、そうしてはじめて、地域の方が心を開いて、思いをこぼす瞬間に出会えるのです。
■地道なやりとりでこそ育まれる地域住民との信頼関係
大学院2年めからは、ベトナム中部の山岳地域での調査をはじめました。かつては伝統的な焼畑農業を営む村でしたが、市場経済化が進み、山の斜面に熱帯早成樹プランテーションが広がります。土地のつかい方が変わると、暮らしや生態系も変化します。いまどんな状態にあり、この先にどんな影響を与えるのか。一軒一軒まわって土地利用や生業の実態を精査し、住民と対話しながら地域のあり方を模索しました。
私たちの研究には、型にはまったアプローチもマニュアルになる教科書もありません。地域ごとに抱える課題や有する資源は違うので、ある地域では成功した方法も、また別の地域では機能しないことなど日常茶飯事。正解のなさに悩まされることもあるのですが、だからこそ広がる可能性と潜在力が私を魅了してやみません。
ここ数年は、出産と育児で長期出張がむずかしくなり、日本の農村で調査をすることが増えました。過疎高齢化が喫緊の課題である愛媛県の山間部で、地元の高校生とプロジェクトを進めています。当初は「じきにだれもいなくなるから」と諦めの空気に包まれていた限界集落の人びとが、若者との協働作業をつづけていくなかでふと「地域をこうしたい」と前向きな気持ちをこぼしてくださったときには心が震えます。止まった歯車が動きだしたような活気に励まされて、いまも月1回、愛媛に通って変化を見つめています。
一つとして同じ地域がない。だからむずかしい。でも楽しい。つねに柔軟な視点が求められるこの分野において、私は京大で学べたことが本当によかったと心底思っています。なぜならここには専門分野や考え方の違う人たちが五万といて、偶然の出会いすら多種多様で刺激的だから。型にとらわれない自由の学風がいつも背中を押してくれるのです。まずは飛びこむこと。それが代えがたい経験を連れてきてくれるかもしれません。