News Letter 2024.1.30 第112号
「 学童保育所 京都大学キッズコミュニティ
(KuSuKu)」の開設に寄せて
男女共同参画推進センター長
理事・副学長 稲垣 恭子
本学では、教職員、学生が研究・学業や仕事と子育てを両立するための支援の一環として、「学童保育所 京都大学キッズコミュニティ(KuSuKu)」を開設し、2023年12月 日に、大学文書館(旧京大会館)にて開所式を開催いたしました。
開所式には、来賓として里見 朋香 文部科学省大臣官房審議官をはじめ設計を担当いただいた一級建築士事務所o+h の大西 麻貴氏と百田 有希氏、内装や施設充実にご協力いただいた加藤 洋 カリモク家具(株)副社長、大久保 昇(株)内田 洋行社長、そして綿越 貴久 第四錦林小学校元校長、橋寺 由紀子(株)フェニクシー社長らにご参加をいただき、湊 長博 総長からの挨拶と来賓の祝辞に続いてテープカットが行われました。
KuSuKuは、「子を育む」「親を育む」を目的に掲げ、土日祝日、長期休み期間にも安全・安心に子供を長時間預けられる場を提供しています。保護者にとっては育児中も安心して研究や仕事に専念でき(「親を育む」)、子どもたちには学校とはまた違った出会いと学びの場(「子を育む」)になればという思いです。
特に本学の教員や地域、企業、公的機関の方々の協力を得て提供するアカデミックプログラムは、好奇心や探究心、考える楽しさを経験できるよう工夫された独自のものです。プログラムの内容は、男女共同参画推進センターHP に公開していますので、ぜひその充実した内容や講師陣をご覧いただければと思います。
またKuSuKuでは、遊びと学びを触発するさまざまなエリアとして、ボルダリングやトンネルくぐりもできる遊戯室、研究者のレクチャーを聞いたりゲーム遊びもできるミニホール、好きな場所で好きな本を読めるライブラリ、工作や実験ができる土間キッチン、地下におりる滑り台のある屋外スペース等を設置しています。京都大学研究林の間伐材を利用した丸みと温かさのある家具や、本学の研究者が子ども向けに執筆した本や外国語の本も読める充実したライブラリなど、インクルーシブで居心地の良い空間になっています。
このような環境のなかで、子どもたちがのびのびと育ち、夢をもって将来を担える人間に成長すること、保護者が育児をしながら安心して研究や仕事に打ち込めるようサポートすることで、本学に優秀な研究者・学生が集まり大学の活力と研究力を高める一助となればと思っています。
利用状況も、冬休み期間中には定員を超えるほどの応募をいただいており、今後も皆様のご期待に沿えるように努力していく所存です。
引き続き、皆様のご理解とご支援をよろしくお願いいたします。
京大学童保育所「KuSuKu」利用者の感想(保護者より)
- 準備された非常に多くの本やおもちゃを見て、選び方がkusuku 独自のものになっていて、とても良かったと思います。
- アカデミックプログラムに参加させていただきました。学童で過ごす時間はとても楽しく充実していたようで、毎日通いたいと言っていました。
この事業を企画していただきましたこと、感謝申し上げます。 - 参加したアカデミックプログラム「火山や自身の不思議を実験で探る」で、地震の揺れのことや耐震のことなども学んだようです。日常生活に即して学ぶことができる大変良いプログラムだと改めて思いました。
女子高生・車座フォーラム2023
12月3日(日)に「女子高生・車座フォーラム2023 」をオンラインにて開催しました。このフォーラムは男女共同参画推進センター主催で、女子高生に京都大学での学生生活や研究者の仕事を知ってもらうという企画です。
今年で18回目の開催となり、高校生55 名、保護者11 名の参加がありました。
はじめに稲垣 恭子センター長より挨拶があり、続いて「京都大学ここのえ会」(京都大学の男女共同参画推進事業や女子学生、女性研究者等へ緩やかな支援を行う同窓会)理事の鈴鹿 可奈子氏よりビデオメッセージがありました。鈴鹿氏ご自身についての高校時代のお話、京都大学を目指したきっかけや大学生活、留学時代のお話など、語っていただきました。
続いて、前半のグループワークでは、文系(文学部・教育学部・法学部・経済学部・総合人間学部(文系))、理系(理学部・医学部(医学)・医学部(人間健康科学)・薬学部・工学部・農学部・総合人間学部(理系))と大きく2つに分け、合同でのグループワークを行いました。それぞれの学部の講師が学部の特徴などについて説明し、参加者からは自身の興味があることについて学ぶにはどの学部に入ればよいのか、など様々な質問がありました。今回の合同グループワークは、学部を横断するような質問に対応ができ好評を得ました。
後半は各学部に分かれ、より詳細に学部での学びや大学生活について講師と京大生が話をし、女子高生から質問を受け和気あいあいと時間いっぱいまで盛り上がりました。
保護者においては、ウェビナー形式で京大生との交流会に参加し、受験生を持つ保護者ならではの視点からチャット機能を用いてたくさんの質問がなされ、
様々な学年の学部生、大学院生が熱心に答えました。
今回も各グループワークにおいて、京都大学の学生や研究者を知っていただく有意義な時間となり、盛会のうちに終えることができました。
今年度のアンケートや車座フォーラムについてはHP に掲載していますのでご覧ください。
https://www.cwr.kyoto-u.ac.jp/rooting/kurumaza/
女子中高生向け魅力見える化コンテンツ作成等支援事業 採択者決定
令和4年度から始まった本支援事業は、本学の研究分野への関心が高まるような魅力見える化の取組の一環として、部局が作成又は実施する、女子高生向けコンテンツ又はイベントに対して、必要な経費の一部又は全額を支援する事業です。今年度7 件のコンテンツ作成(経済学研究科、理学研究科(2)、医学研究科、情報学研究科、防災研究科、高等研究院)と2件のイベント実施(理学研究科、工学研究科)の計9件の事業への支援を決定しました。
https://www.cwr.kyoto-u.ac.jp/for_girl/appealing/
令和6年度 保育園入園待機乳児室「ゆりかご」2月1日より申込受付開始
学生及び研究等に携わる教職員の研究と育児の両立を支援することを目的とし、男女共同参画推進センター内に「保育園入園待機乳児のための保育施設」(愛称ゆりかご)を設けています。この保育施設は、自治体の保育園の入園待ちを余儀なくされている研究者等を対象としています。
令和6年度は4月2日(火)から開室の予定で、利用申込の受付を2月1日(木)より開始します。利用希望の方は下記の要項を熟読のうえ、お申込みください。
https://www.cwr.kyoto-u.ac.jp/support/care/nursery/
また、「ゆりかご(一時保育)」では緊急に保育が必要な状況である乳児を対象に一時的に保育をします。
詳しくは下記をご覧ください。
https://www.cwr.kyoto-u.ac.jp/support/care/temporary/way/
京大学童保育所「KuSuKu」設計建築士と学生の座談会(12月25日開催)
学童保育所京都大学キッズコミュニティ「KuSuKu」を設計した、本学卒業生である一級建築士事務所o+hの大西 麻貴氏と本学工学部建築学科の学生4名との座談会を開催しました。 「KuSuKu」施設を周りながら大西氏から説明を受け、その後の質疑応答の時間では活発に質問が出て大変盛り上がり、終始和やかな雰囲気の座談会となりました。
※ 座談会の詳細は機関誌「京からあすへ」Vol.4
(3月下旬発行予定)に掲載します